仕事の最短ルートを探る

仕事の最短ルートを探る

Clock Icon2022.08.05

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こんにちわ。従業員体験( EX ) の向上がミッションのエンジニアリング統括室に所属しているてぃーびーです。
業務の遂行には常に時間の制約があります。
同じ質の成果を生み出すまでの時間が早いほど単位時間あたりの成果量が大きくなります。
例えば
  1. 20日で成果20
  2. 20日で成果200
であれば, 2は1の10倍の成果です。
ある仕事の効率の最短ルートを追求し続ければそれだけ単位時間あたりの成果量を増やせることになります。
多くの場合で時間あたりに生み出せる成果量が増えれば、利益率があがり、それはおちんぎんにポジティブフィードバックされやすくなります。

最短ルートへの道

クリティカルパス

対象業務のクリティカルパスを踏まえて業務の順序を検討することができれば、最短ルートに近づけやすくなります。
クリティカルパスを把握するためには、業務プロセスの全体像を把握する必要があります。
単発のタスクのみを前提に検討をしていると、クリティカルパスや前後の依存関係などを忘れがちですが、全体の流れを踏まえて今検討しているこのタスクの位置において行うべきことはなにか、を検討することができるとプロセスの最適化につながります。

仕組み化をできるか?

任意の業務を仕組み化することで効率化、安定化させることができます。
大枠で手動の手順化と、自動化があります。
  • 最適な手順を見つけ、手順書にする
  • 手順の定まった業務をプログラム等の力で自動で実行できるようにする
手動化は自動化の前提になります。

ミーティングの進行

ミーティングは目的とゴールを持ちます。
ゴールに到達するまでに必要なやりとりの流れを思い描き、その中で必須のものを依存関係順に並べることができれば最短ルートになります。
例えば、こんな感じです。
  • 目的の共有
  • ゴールの共有
  • 議論の前提知識の共有
  • 議論の構成の共有
    • 議論1
      • 議論1-1
      • 議論1-2
    • 議論2
      • 議論2-1
      • 議論2-2
  • 議題1の説明
    • 議題1-1の説明
    • 議題1-1の議論
    • 議題1-1の結論決定
    • 議題1-2の説明
    • 議題1-2の議論
    • 議題1-2の結論決定
  • 議題2の説明
    • 議題2-1の説明
    • 議題2-1の議論
    • 議題2-1の結論決定
    • 議題2-2の説明
    • 議題2-2の議論
    • 議題2-2の結論決定
  • まとめ
    • Next Action の確認
実際には上のような議題のあるミーティングを以下の用な議題ですすめることもあるでしょう
  • 議題1
  • 議題2
おおざっぱに議題1と議題2のテーマだけあり、あとは口頭で道筋立てずにひたすらやりとり。
この状態だと
  • 議題1の最中に議題2に話がとぶ
  • 議題1の中でも議題1-1,議題1-2の区別がつかない形で進行する
  • 全く関係のない話題に話がズレたが本線に戻らない
  • 結論が分からない
という状態で終了して、1時間のミーティングを4名で実施して成果ゼロということもありえます。
準備段階でみれば、前者のアジェンダはボリュームがあり、めんどくさそうな印象があるかもしれません。
しかし、いざミーティングを進行する際は、進行上の迷子になりにくく、抜けもれや認識の齟齬をうまずに議論を進めやすくなります。また、個別のトピックごとに結論を導くフェーズを組み込んでいるのも意味があります。より狭い範囲にフォーカスして議論したほうが、話題がそれにくくなります。また、人間の短期記憶は弱いので、説明を受けてから議論を行い、結論を導くまでの範囲が狭ければ狭いほど記憶が消えにくくなります。
なお、すべてを完璧に脳内に思い描いて口頭でミーティングを進行できる人もいるかもしれませんが、参加者全員が同じ能力を持って口頭の議論をすべて正しく理解し、記憶した上で齟齬なくやりとりできることはほぼないと思いますので、議論は常に可視化していくことを推奨します。
これは試したことがないのですが、例えば口頭のみのミーティングを録画しておいて、ミーティングの主催者が伝えたかったこと、それを踏まえて行われた議論過程、導かれた結論について参加者全員の認識を録画を見ながら確認したら、相当数の認識齟齬や忘れてしまった部分が存在すると予想します。実は説明途中のあの用語を知らなかったけど、質問しそびれた。実はあの場面で A さんが話していた説明がわからなかったけどスルーした。実は何が決まったか正直わからなかったけどスルーしていた。そういったことがよくあるのではないでしょうか。

最短ルートを把握した上での寄り道

最短ルートに近づくと時間あたりの成果量を増やすことができます。
一方で、短期的な成果を最短で生み出す以外の視点もあります。
例えば、短期的に寄り道に見えるが、長期的にはプラスになりそうな以下のような要素もあります。
  • 知識、スキル強化 - お互いの知識、スキルが強化されるようなやりとり
  • 発想が重要となる場 - よりよい解決策、企画を生み出すために寄り道も歓迎されるようなやりとり
  • 雑談 - 関係性を深める和やかなやりとり
このあたりは、締め切りや全体で使う時間のバランスなどを見つつどの程度取り入れるとよいか判断することになります。
実際のところは、定性的な話なので「なんとなく」での判断になりますが。
例えば、いくらチームの関係強化・スキル強化につながると言っても、全体進行の 50% もそこに使っていたら短期成果が大きく減少してしまいます。一方で、これらを 0% にして短期成果だけに全力を傾けているとチームがギスギスしたり、各メンバーが能力を伸ばしにくくなってしまい、未来の成果を生み出す能力が減ったり、退職者が増えやすくなります。そういう話です。

質を伴わないスピードアップの罠

あくまで「質を保って」という前提が大事です。
例えば、意思決定の高速化を急ぐあまり議論の質が下がり、誤った意思決定をすれば、いくら素早く決定できても成果は激減です。
未経験の領域、難易度の高い領域はバイアスが大敵です。こういった熟考による深い検討が必要な箇所では質を上げる十分な時間を確保し、経験済みの領域や、未経験でも正解が類推しやすいかんたんな領域の場合に素早く判断をする、などの使い分けがいります。
全社や部門における戦略の意思決定、解決が難しい組織課題の問題明確化、顧客が持つニーズの掘り下げあたりは熟考が必要なケースにあたるでしょう。思考の話については以下の記事などみるとよいでしょう。

まとめ

仕事の最短ルートを探る方法についてまとめました。

まず大前提として「同じ仕事であればできるだけ早く終わらせたほうがいい」という意識自体が必要です。これがないと、成果と全く関係のない雑多な検討事項や横道に入り込みやすくなります。

その上で最短ルートを探る鍵は時間軸での思考力なのかもしれません。今検討している対象が時間を経てどんな影響を及ぼすか、ということを考えることができていると、周囲との依存関係も検討範囲に入りやすくなります。このような思考を繰り返し、その結果をふりかえることで経験値をためていくのが最短ルートの検討に慣れていくコツなのではと思います。

 

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